はじめに:準備で迷っている方へ
「人工芝を敷いてみたいけれど、何から始めればいいのかわからない」
そんな声を、私は日々たくさん耳にします。

こんにちは。人工芝の施工を専門に、10年間仕事をしているSHIBAOです。
これまで一般のご家庭から施設まで、さまざまな場所で人工芝を施工してきましたが、最近は「自分で敷いてみたい」という方がとても増えています。
ただ、DIYをしようと考えたときに一番多い悩みが、「準備の仕方がわからない」ということ。
「地面はどう整えればいい?」
「道具は何が必要?」
「どれくらいの量を用意すればいい?」
初めてだと、不安になるのも当然です。
この記事では、人工芝を自分で敷きたいと考えている方に向けて、「施工前に必要な準備」だけを丁寧にまとめました。
経験がなくても、この記事を読みながら準備を進めれば、失敗を防ぎながらスムーズに施工できるはずです。
無理にプロに頼まなくても、工夫次第で自分の手で理想の庭やベランダを作ることは可能です。
その第一歩として、まずは“正しい準備”からはじめてみましょう。

第1章:そもそも、人工芝DIYに“事前準備”が重要な理由
人工芝をDIYで施工するうえで、見落としがちなのが「事前の準備」です。
見た目や価格ばかりに気を取られて、地面の状態や下地処理、必要な道具の準備をあいまいにしてしまうと、完成後に思わぬトラブルが起きることがあります。
例①:地面がデコボコで雨水が溜まる
あるご家庭では、人工芝を敷いたあとに雨が降るたび、水たまりができるようになってしまいました。
原因は、施工前に地面の凹凸を均さず、そのまま人工芝を敷いてしまったことでした。
見た目は一見キレイでも、土の中の傾きやくぼみは、施工後にしっかりと影響してきます。
特に、密度の高い人工芝では水が流れにくく、排水性の悪さが目立ってしまいます。

例②:雑草対策を怠って1年後に後悔
「人工芝を敷けば、雑草も生えなくなると思ってました」
と話してくれたのは、1年ほど前にご自身で施工されたお客様。
防草シートを使わずに敷いたため、半年後には芝の隙間から雑草がどんどん伸びてきてしまい、結果的に芝の一部を剥がして再施工することに。
最初のひと手間を惜しまなければ、防げた事例でした。

SHIBAOが実際に受けたお客様からの相談
私が実際に見てきた中でも、準備不足が原因で「やり直し」になった現場は少なくありません。
たとえば、30㎡ほどの庭に人工芝をご自身で敷いたお客様。
施工後すぐは「見た目がきれいで大満足」と話されていましたが、
数日後、「芝が浮いてきた」と連絡がありました。
確認してみると、地面の締固め(転圧)が十分でなかったこと、U字ピンの打ち方にムラがあったことが原因でした。
結果的に、人工芝を一部剥がし、再施工することに。
こうした失敗は、最初の準備段階でしっかりポイントを押さえておけば防げることばかりです。
裏を返せば、「事前準備」さえ丁寧に行えば、初めてのDIYでも十分にきれいで長持ちする施工が可能だということでもあります。

第2章:人工芝施工の「準備チェックリスト」
人工芝DIYで最も大事なのは、
「現場の状態を整えること」
「必要な道具をしっかり用意すること」
ここでは、実際に施工会社の私が普段お客様にお伝えしているポイントをわかりやすくまとめました。
土地の状態を整える|転圧することをオススメ。
まず、地面は平坦であることが基本です。
凹凸は後で人工芝が浮いたり、つまずきの原因になります。
土の場合は、まず地面を掘り返して表面をならし、転圧機で土を押し固める作業を行うことをオススメします。
転圧機はホームセンターやインターネット経由でもレンタルも可能(半日で3000円程度、1日で6000円程度)で、DIYでの施工精度が格段に上がります。
さらに、水はけをよくするために、傾斜をつけたり砂利を含めた下地を作ることも検討しましょう。

敷地の広さと形を測る|余裕をもった発注が安心
- 幅と奥行きを計測し、面積を算出します。
- 単位は”平米”(例1m × 1m = 1平米)となります
- 複雑な形状の場合は、紙に形を書いて分割して測ると計算しやすいです。
- カットミスや端部の重ねも考慮して、10~15%程度余分に注文することをおすすめします。

雑草対策|防草シートは必ず敷く
- 防草シートは雑草の発生を防ぎ、メンテナンスを楽にします。
- 透水性があり耐久性のあるものを選びましょう。
- 私の経験では、防草シートなしで施工した現場は1年以内に雑草が生えてトラブルになることが多いです。

用意すべき道具|DIYならこのセットが基本
- カッター(替刃も準備):芝をカットするのに必須
- U字ピン:地面に芝を固定。1㎡あたり約5~10本が目安です
- ハンマー:ピン打ちに必要
- 接着テープ:ベランダやコンクリートなど土がない場所用
- メジャー:いろんな場所の長さを測ります
- チョーク:人工芝の裏地にマーキング
- 軍手:安全・快適に作業するために
- 膝パッド:安全・快適に作業するために
- 転圧機:土の地面を固めるならレンタルがおすすめ。

天候のチェック|施工日は晴れて乾燥した日を選ぶ
- 雨の日や湿度が高い日は施工に向きません。
- 濡れた状態での施工は人工芝や接着の品質に影響します。
- できれば、晴れた日が2日続くタイミングが理想です。
以上が、私が普段お客様にアドバイスしている「失敗しないための準備チェックリスト」です。
きちんと準備ができれば、DIYでも質の高い施工が実現できますよ。

第3章:施工をスムーズにする2つのコツ
人工芝DIYを成功させるには、材料や道具を揃えるだけでなく、作業の進め方にもコツがあります。
ここでは、私SHIBAOが長年の経験から特に大切だと感じている2つのポイントをご紹介します。
コツ1:作業は2人以上で行うのが理想
人工芝はロール状で重さもあり、一人で広げて固定するのはなかなか大変です。
また、カットやピン打ちといった細かな作業も同時進行で進められると、効率が格段に上がります。
家族や友人など、誰かと一緒に取り組む場合は、役割分担を決めておくとスムーズです。
例えば、ひとりが芝を広げて位置を調整し、もうひとりがU字ピンで固定する。
カットは交代で担当するなど。
実際に私が関わった施工では、2人作業で30㎡の庭が約5時間で完成した一方、1人で行った場合は3倍の15時間近くかかったケースもあります。
作業を分担できる相手がいることで、疲労も減り、失敗のリスクも軽減されます。

コツ2:余裕を持って人工芝を発注する
カットミスや形状に合わせた微調整はDIYでは避けられません。
そのため、人工芝は必要面積の10〜15%多めに注文しておくことを強くおすすめします。
ギリギリの量で注文すると、途中で不足し追加発注になることもあり、配送や納期の遅れで施工が後ろ倒しになるリスクがあります。
また、余った人工芝は、将来の補修やちょっとしたスペースのリフォームに活用できますので無駄になりません。
この“余裕”があることで、気持ちにも余裕が生まれ、安心して作業を進められます。

本記事の総括:理想の庭づくりは“準備”から始まる
ここまで、人工芝DIYで失敗しないための「事前準備」の重要性と具体的なポイントについてご紹介してきました。
準備をしっかり行うことで、施工のトラブルや後悔を減らし、美しく長持ちする庭やベランダを自分の手で作ることができます。
最初は不安もあるかもしれませんが、丁寧な準備と良い素材選びで、DIYでも満足できる結果は必ず手に入ります。
皆さまの素敵な庭づくりを心から応援しています。

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