夏でも安心!人工芝が熱くなりすぎる問題と正しい対策【10年施工のプロが解説】

こんにちは、人工芝施工歴10年のSHIBAOです。
私はこれまで何百件ものご家庭のお庭に人工芝を敷いてきました。

人工芝のネットでよく見る言葉に、

「人工芝は火傷するほど熱い」

というものがあります。

たしかに、真夏の正午、日差しが強い時間帯は、人工芝の表面温度が上がります。
私も最初の頃は心配で、軍手で触ってからお客様に案内していました。
でも、10年の現場経験から言えることがあります。
人工芝の熱さは「種類」「色」「敷いてある場所」「時間帯」で大きく変わります。
日陰があるかどうか、風が通るかどうか、地面が湿っているかどうかでも変わります。
つまり、単純に「人工芝=危ない」とは言い切れません。
私が見てきた多くのお宅では、選び方と使い方を少し工夫するだけで、夏でも快適に使えています。

たとえば、小学生のお子さんがいるご家庭。
午前中と夕方に庭でよく遊ぶスタイルなら、明るめカラーの人工芝を選んで、さらにタープで直射日光を弱めるだけで、足裏の熱さはぐっとやわらぎます。

ペットのワンちゃんがいるお宅では、人工芝の一角に常設の影(小さな屋根やオーニング)を作るだけで、真夏も安心して過ごせるようになりました。

本記事でお伝えしたいのは、「熱くなることは事実。でも、コントロールできる」という視点です。

本記事では、これまで私の経験を元にその理由とデータをお見せします。

目次

第1章 なぜ人工芝は熱くなるのか

理由は大きく三つあります。

一つめは素材です。
人工芝の多くはポリエチレンやポリプロピレンというプラスチックでできています。
プラスチックは太陽の光を吸収すると温度が上がりやすく、いったん熱くなると少し冷めにくい性質があります。

二つめは色です。
黒いTシャツが白いTシャツより熱く感じるのと似ています。
濃い緑(黒に近い色)は光を吸いやすく、明るめの緑や黄緑は光を反射しやすいので、温度の上がり方に差が出ます。
見た目のリアルさと、夏の体感温度はトレードオフになることもあります。

三つめは天然芝との違いです。
天然芝は生きていて水分を含み、蒸発するときにまわりの熱を奪います。
そのため、同じ条件でも天然芝のほうが温度が上がりにくいのです。


ここで、私が実際の現場で計測した目安データを紹介します。
条件は、真夏の晴れた日、気温が35℃前後、風は弱め、直射日光ありです。
測定は手持ちの放射温度計を使いました。
もちろん場所や時間で変わるので、あくまで目安として見てください。

真夏の表面温度の目安(SHIBAOの現場実測)

地面の種類表面温度の目安(℃)体感のめやす
天然芝約35~38ひんやり~少しあたたかい
人工芝(通常タイプ)約55~65素足はきびしい、サンダル推奨
人工芝(遮熱タイプ)約45~52状況により短時間なら可
コンクリート約60~70かなり熱い、注意
アスファルト約65~75非常に熱い、危険

この表からわかるのは、人工芝はたしかに天然芝より熱くなることが多い一方、コンクリートやアスファルトより低い場合が多いという点です。

さらに、人工芝の中でも「遮熱タイプ」や「明るめカラー」「混色(明暗が混ざった色合い)」を選ぶと、同じ日でも数度から十数度、体感が変わることがあります。

第2章 SHIBAOの体験談:成功例と困った例、そこからの学び

体験談を三つ、ご紹介します。

体験談1:保育園の園庭リニューアル
8月上旬、午前10時で外気温は33℃。先生からの希望は「子どもが素足で遊べること」。
私は明るめの遮熱タイプを提案し、芝丈は28mmで統一しました。
完成後、先生から「正午はさすがにサンダルだけど、午前と夕方は素足でも平気」との声。
さらに、園舎のひさしがつくる影が人工芝の一部にかかるため、子どもたちは自然と影と日なたを行き来し、休みながら遊べているとのこと。
ここで学んだのは、素材と色に加えて「影の設計」がとても効くということです。

体験談2:見た目重視で濃い緑を選んだ一般住宅
見た目は文句なしに綺麗。
写真映えもします。
ただ、真夏の正午は素足では厳しかった。
お客様ご自身が日よけタープを後付けしたところ、人工芝の中央にも柔らかい影ができ、熱さの不満はほぼ解消。
「最初にタープもセットで考えればよかった」とのご感想。
ここからの学びは、見た目と体感はバランスだということ。最初から日よけの計画があると、色の自由度も広がります。

体験談3:犬と暮らすご家庭の工夫
ワンちゃんは地面の熱に敏感です。
明るめ混色の人工芝を採用し、庭の一角に常設のシェードを設置。
さらに夕方の散歩前に、じょうろで軽く水をかける習慣にしたところ、表面温度が数分で下がり、犬も気持ちよさそうに寝そべるようになりました。
水をまくと一時的に温度は下がりますが、直射日光が続けばまた上がります。
そこで、影と水をセットで使うのがコツだと実感しました。

第3章 DIYでもできる熱さ対策と人工芝の選び方

ここからは具体策です。
難しい工具は不要なものを中心にまとめました。
私自身が施工で試し、効果を感じた方法だけを載せています。

対策1:遮熱タイプの人工芝を選ぶ
遮熱タイプは繊維や顔料の工夫で、日光による温度上昇を抑える作りになっています。
私の現場感覚では、通常タイプより表面温度が10〜15℃ほど下がるケースが多いです。
価格は通常より上がりますが、夏の快適さを重視するなら強い味方です。

対策2:芝丈は25〜30mmを基本に
短すぎると地面の熱が伝わりやすく、長すぎると乾きにくくなります。
25〜30mmはクッション性と乾きやすさのバランスが良く、私のおすすめ。
特に小さな子どもやペットがいるご家庭は、足への負担も少なく、見た目も自然に感じやすい高さです。

対策3:色は明るめ、もしくは混色(ライトグリーン+枯芝色)
濃い緑は写真映えしますが、夏の直射日光では熱を吸いやすい。
明るめの緑、または明暗が混ざった混色を選ぶと、光の反射が増え、体感温度がやわらぐことが多いです。
私の現場では、濃い緑と比べて2〜3℃低く感じた例もあります。
見た目の自然さも損ないません。

対策4:影をつくる(タープ、シェード、パーゴラ)
直射日光が和らぐと、表面温度ははっきり下がります。
庭の使い方に合わせて、布の大きさや角度を調整しましょう。
風の通り道をふさがない張り方がコツです。
柱を増やすより、家の外壁やフェンスを上手く利用するとコストも抑えられます。

対策5:水をかける(朝・夕が有効)
じょうろやホースで軽く水をまくだけで、数分間は体感が楽になります。
真昼でも一時的に下がりますが、強い日射が続くとまた上がるので、時間帯は朝か夕方が良いです。
子どもが遊ぶ前にサッとかけるだけでも効果を感じます。
ペット用のミストシャワーは人にも快適です。

対策6:使い方の時間割を決める
ご存知の通り最も暑いのは正午〜14時。
ここだけ避けて、朝と夕方に庭を使うルールにするだけで、熱の問題はぐっと軽くなります。
家族の生活リズムに合わせて「庭タイム」を決めましょう。

ここで、選び方と対策の全体感を一覧にします。

コストと効果の目安

対策・選び方効果コスト感(目安)
遮熱タイプ人工芝高い(体感がはっきり変わる)高(+500~1,000円/㎡)
芝丈25~30mm中~高(バランスが良い)同等
明るめ・混色の芝中(数度の差でも体感は大)同等
水まき(朝・夕)中(短時間でも有効)
日よけタープ・シェード中~高(面積が広いほど良い)中~高
ペット・子ども用エリアだけ高機能化中(費用対効果が良い)

補足として、人工芝の下地が土か、砕石か、コンクリートかでも、こもる熱の質は少し変わります。
私の体験では、乾いた土と砕石下地は、直射時の一時的な表面温度には大差が出にくい一方、雨上がりの乾きやすさでは砕石が有利です。

乾きやすいということは、蒸れによる不快感が減るので、夏の連続使用に向きます。

第4章 まとめ・チェックリスト・Q&A


人工芝は夏に熱くなります。
これは事実です。

ただし、種類・色・芝丈・影・水・時間帯という六つの要素をうまく組み合わせれば、子どももペットも安全に楽しめます。
私は10年間の施工で、見た目だけで選んで後悔したケースも、上手に工夫して満足度が高いケースも、どちらも見てきました。

この記事を読んだ方には、後者になってほしい。

ポイントは、「選ぶ前に使い方を決める」こと。

どの時間に、誰が、どこで、どんなふうに使うのか。
ここが決まれば、最適な人工芝と対策は自然と絞り込めます。

今日から使えるチェックリスト

  • 遊ぶ主な時間帯は午前か夕方か(正午〜14時は避けられるか)
  • 庭に影をつくれるポイントはあるか(家のひさし、フェンス、既存の柱)
  • 色は明るめまたは混色でOKか(見た目と体感のバランス)
  • 芝丈は25〜30mmで良いか(クッション性と乾きやすさの両立)
  • 家族やペットがよく集まる場所だけ、ワンランク上の人工芝にするか
  • 水まきやミストを使う習慣を作れそうか(朝・夕のひと手間)

よくある質問 Q&A

Q1:真夏でも裸足で大丈夫ですか?
A:正午前後の直射時間はサンダルがおすすめです。遮熱タイプや明るめカラー、影づくり、水まきを組み合わせれば、午前と夕方は裸足でも大丈夫な場面が増えます。

Q2:ペットは肉球を痛めませんか?
A:長時間の直射は避け、影と水を用意しましょう。
ミストや小さな日よけ小屋を併用すると安心です。散歩前に温度を手で触って確認する習慣が安全につながります。

Q3:水まきは何分くらい効果が続きますか?
A:気温と日差しで変わりますが、私の体感では数分〜十数分ほど楽になります。
朝や夕方が特に有効です。遊ぶ直前にサッとまくのがコツです。

Q4:遮熱タイプは見た目が不自然になりませんか?
A:最近の遮熱タイプは質感が自然なものも多いです。
気になる場合は、庭全体ではなく「よく座る場所だけ」遮熱タイプにして、他は通常タイプにする方法が好評です。

Q5:濃い緑が好きですが、やめたほうがいいですか?
A:絶対にダメではありません。
濃い緑を選ぶ場合は、影づくりや時間帯の工夫でカバーしましょう。
日よけタープを最初からセットで考えると満足度が上がります。

Q6:天然芝のほうがやっぱり涼しいですよね?
A:真夏の直射では天然芝のほうが温度が上がりにくい傾向はあります。
ただし、手入れ(芝刈り・水やり・雑草対策)が必要です。
手間をかけず一年中きれいに保ちたいなら人工芝が向いています。

最後に、SHIBAOから一言

庭は「家族が集まる場所」「毎日をちょっと良くする道具」です。
人工芝はその手助けをしてくれます。熱さは工夫でコントロールできます。
色、芝丈、影、水、時間帯。この五つを味方につければ、夏も怖くありません。
あなたの庭が、朝の深呼吸と夕方のひと休みを心地よくしてくれる場所になりますように。
もし迷ったら、この記事のチェックリストに戻って、一つずつ決めていってください。
悩みは小さく、楽しみは大きくなります。

それでは素敵なお庭ライフを!!!

SHIBAO

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